天照大神(アマテラスオオミカミ)アマテラス

黄泉の国から戻った伊弉諾尊(イザナギ)が禊を行ったとき、左目から生まれた女神。光り輝く太陽のような存在であったため、イザナギに高天原の統治を託された。
伊勢神宮内宮(皇大神宮)に祀られ、皇室から特別な存在として崇敬されてきたが、中世以降は天皇家の氏神としてだけでなく、日本国民の総氏神・お伊勢様として広く信仰されている。アマテラスを勧請した神明神社は日本各地に創建され、全国で1万8千社にものぼるという。

系譜
父神:伊弉諾尊(イザナギ)
弟神:月読命(ツクヨミ)、須佐之男命(スサノオ)
別名・異称
天照皇大神、天照大御神、大日孁貴神
神格・神徳
日本国民の総氏神、太陽神
おもな神社
伊勢神宮内宮(三重県伊勢市)、各地の神明宮・神明社、東京大神宮(東京都千代田区)、芝大神宮(東京都港区)、天岩戸神社(宮崎県高千穂町)、廣田神社(兵庫県西宮市)

天細女命(あめのうづめのみこと)アメノウヅメ

天照大神(アマテラスオオミカミ)が天岩戸に隠れたとき、岩戸の前で、力強くエロティックに踊り、八百万の神々を大笑いさせ、天照大神が興味をもち世界に光を戻すきっかけを作った。その説話より、芸能・技芸全般の神として信仰されている。

別名・異称
天宇受賣命、宮比神、大宮売神
神格・神徳
芸能の神、技芸上達
おもな神社
鈿女神社、佐倍乃神社、佐瑠女神社(猿田彦神社境内社)、芸能神社(車折神社境内社)

天日鷲神(あめのわひしのかみ)アメノヒワシ

天照大神(アマテラス)が天岩戸に隠れた際、天太玉命(フトダマ)に率いられて、榖の木を植え、白和幣を作ったとされる。お酉様として知られ、豊漁、商工業繁栄、開運、開拓、殖産の守護神として信仰されている。

系譜
阿波の忌部氏の祖神。
別名・異称
天日鷲命、天日鷲翔矢命
神格・神徳
お酉様、豊漁守護、商売繁盛、開運招福、殖産興業
おもな神社
忌部神社(徳島県徳島市)、鷲神社(東京都台東区)

伊弉諾尊(いざなぎのみこと)イザナギ

国産み・神産みにおいてイザナミとの間に国土(日本)と自然神を形づくる多数の子・神を儲ける。天空の父神。長寿祈願、縁結び、事業成功などの神として信仰されている。

系譜
天地開闢(てんちかいびゃく)において神世七代(かみのよななよ)の最後にイザナミとともに生まれた。イザナミの兄であり夫。アマテラスやスサノオ等多くの神の父神。
別名・異称
伊邪那岐命、伊弉諾、伊邪那岐、伊耶那岐
神格・神徳
天空の父神、長寿祈願、縁結び、事業成功
おもな神社
伊弉諾神宮、多賀大社、江田神社、おのころ島神社

伊弉冉尊(いざなみのみこと)イザナミ

火の神を産んだ際に火傷を負って病に臥せ、のちに亡くなる。死後、自分に逢いに黄泉の国までやってきたイザナギが変貌した自分を見て、恐怖で逃げ、追いかけるが、黄泉の国と地上との境である黄泉比良坂(よもつひらさか)の地上側出口を大岩で塞がれ離縁することとなった。大地の母神。長寿祈願、縁結び、事業成功などの神として信仰されている。

系譜
天地開闢(てんちかいびゃく)において神世七代(かみのよななよ)の最後にイザナギとともに生まれた。イザナギの妹であり妻。国産み・神産みにおいてイザナギと国土や様々な神を産みだす。
別名・異称
伊邪那岐命、伊弉冉、伊弉弥、伊邪那美、伊耶那美、黄泉津大神、道敷大神
神格・神徳
大地の母神、縁結び、事業成功
おもな神社
伊弉諾神宮、多賀大社、おのころ島神社、三峯神社

倉稲魂命(うかのみたまのみこと)ウカノミタマ

総本社とされる京都「伏見稲荷大社」の主祭神であり、全国にある稲荷社に分祀され「お稲荷さん」として広く信仰されている。
「ウカ」は穀物・食物の意味で、穀物の神である。現在は農耕の神だけでなく、商工業など商売繁盛の神としても信仰されている。

系譜
須佐之男命(スサオノミコト)の子(性別は明確でないが古くから女神とされている)。
別名・異称
宇迦之御魂神、大宜都比売、保食神、稲荷神
神格・神徳
穀物の神、商業の神、五穀豊穣、商売繁盛
おもな神社
伏見稲荷大社、豊川稲荷、各地の稲荷神社

応神天皇(おうじんてんのう)おうじんてんのう

大分県の宇佐八幡宮を総本社として、全国に2万余社もある八幡神社の祭神「八幡様」。文武の神。

系譜
第15代天皇。父は仲哀天皇で、母は神功皇后とされる(諸説あり)。
別名・異称
誉田別尊、大鞆和気命、胎中天皇、八幡神
神格・神徳
文武の神、武勇長久、国家鎮護、殖産興業
おもな神社
宇佐神宮、石清水八幡宮、鶴岡八幡宮、各地の八幡神社

大国主命(オオクニヌシノミコト)オオクニヌシ

因幡の白兎(稲羽の素兎)にて素兎に助言し、八上比売(ヤガミヒメ)と婚約した事を兄神(八十神)に妬まれ二度殺される。また根の堅州国に行き、スサノオの娘である須勢理毘売(スセリビメ)に出会い惚れ、スサノオの試練を乗り越え、スセリビメを妻に迎え葦原中国を譲りうける。その後、何人かの妻と、多くの子供をもうけつつ、少名毘古那(スクナビコ)と協力し国作りを完成させる。しかし、高天原のアマテラスが「地上は私の子孫が収める!」と、建御雷之男神(たけみかづち)などを派遣し要請され完敗するも、天高くそびえる神殿(現在の出雲大社)の建設を条件に国を譲った。

系譜
父神:天之冬衣命(日本書紀ではスサノオ)
『古事記』ではスサノオの6代子孫、『日本書紀』ではスサノオの子
母神:刺国若比売
妻神:須勢理毘売、八上比売、沼河比売、多紀理毘売、鳥取神、神屋楯比売
別名・異称
大物主命(オオモノヌシノミコト)、大己貴命(オオナムチノミコト)、葦原色許男神(アシハラシコオ)、大國主大神(オオクニヌシノオオカミ)、八千矛神(ヤチホコノカミ)
神格・神徳
建国の神、農業の神、医療の神、夫婦和合、病気平癒
おもな神社
出雲大社(島根県出雲市)、大國魂神社(東京都府中市)、神田神社(東京都千代田区)、大前神社(栃木県真岡市)、大神神社(奈良県桜井市)、氣多大社(石川県羽咋市)